管理職を1年経験した記録。

去年 4月から役職者となり、一応それなりに管理職のような仕事をしてきました。

それなりにいろいろ考えたり、思ったりしたことがあるので、忘れないように書き留めます。


自分のところは薬剤師20名程度で、薬剤部長1名、副薬剤部長1名、主任2人という役職者枠があって、今回私が任命されたのは薬剤部長の退職に伴って、役職者枠が空くからという流れがありました。

それでも薬剤部員の中で自分が任命されたということは、それなりに認められたこともあるのかなと嬉しく思い、ありがたくも思いました。


実は私は、がんとかNSTとかそういう専門分野の認定は持っていなくて、薬剤師に関わる認定は研修センターの認定だけです。緩和ケアの認定に興味があって取れそうなところまで勉強をしたんですが、あと症例報告と試験だけというところまで来て目指すのを辞めました。

理由…というか言い訳はいろいろ並べることもできるんですが、ここではあまり関係ないので割愛。

それでも、それなりに薬については勉強してきたし、普段の仕事で必要になるスキルは持ち合わせているだろうなと自負していたから、認定を取ることにそこまで必死になっていない自分がいたのもあるかもしれない。


そんな経緯でまだ箔が付いていない状況だったけれど、働く中で「後輩を育成できる薬剤師になりたいな」というのは常に抱いていました。それで役職者に推薦されるというのを経て、それに必要な知識を勉強しようと動き始めました。

あとになって思うのは、認定を目指すという目標がなくなった中、役職者につくというイベントが起きたことで、組織をうまく動かす手助けができる薬剤師になりたいという新しい目標が見つかったのかなと。


職場によって役職者の役割って違うと思うんだけれど、自分はまず、マネジメントやコーチングの勉強はしっかりしておいたほうがいいと思った。きっと昇格した時から、とある部署や担当業務のリーダーシップを任されることが多くて、与えられた仕事をこなすだけでは不十分なことが増えてくると思うんです。他の薬剤師にうまく指示を伝えたり、育てたり、そんな技術も必要になってきます。

それで、ちょうどiPadを購入したタイミングもあって、Kindleを導入したから通勤の電車とかちょっとした待ち時間に気軽に本を読める環境が整っていたので、いろいろ本を読んでました。ドラッカー関連と、行動分析学関連が面白いと思いました。


「ドラッカー」は組織の役割、その組織の中での自分の役割を知ることができます。ただ、原本は結構難解な文章になっていて、しかもそこそこ長くて読むのが大変だった。漫画でわかるシリーズとか、「もしドラ」が読みやすいのかなと思います(前者は読んだ)。

こういったいわゆる「マネジメント」の本を読んで、自分の仕事に対する見方が結構変わったたなと感じる。自分がすべき仕事なのかどうかの厳選、目標を見失わないための工夫、どのような目標を設定すれば組織としても顧客としても幸せになれるか…抽象的だけれど、視野が広まりました。


行動分析学は、「人がとある行動を繰り返そうとする(または止めようとする)のは、その行動をした直後に自らに与えられる報酬などの結果が大きく寄与する」などの、人間の行動を一般化しようとする学問で、マネジメントにも取り入れられているようです。

コーチングの本もいくつか読んだけれど、行動分析学と繋がっている部分もあって面白いです。役職者って、聞こえは悪いけれど「どのように人を動かすか」もスキルとして持っておかなきゃなと思うんです。その時に、自分の今までの短い人生の経験とか、そういうのに頼ってもやっぱり上手くいかないし、正解がわからない。そんな時に人間というものの特性だとか、人を教える経験が自分よりも遥かに豊富な方々の考え方ってすごく参考になります。

ただ教えるだけじゃなくて、どうやる気を出させて、どう自分で考える力を育てるか。言いなり人間を育てるだけじゃ結局ダメだから、もっと「教える」ことの難しさを深く考える必要があるんですよね。それを知れただけでも収穫でした。「毎日、部下について全員分どんな様子だったか何を語ったかを日記をつける」という一例もあったりして、どれだけ相手を理解するかが重要ということが伝わってきました。


それと、メンタルヘルスマネジメント検定2種を受験しました。

もともと自分の職場では毎年のように退職者が多くて、この負の連鎖をなんとか止められないだろうかと悩んでいて。先述のコーチングのスキルを学ぼうと思ったのもそういった背景も理由の一つです。

メンタルヘルスマネジメント検定、最初私は「仕事上で患う、うつ病を予防する??」なイメージがあったけれど、実際は全然違いました。労働者を守る労働安全衛生法などの法律上の話や制度、過労による心身への影響や部下へのコミュニケーションの取り方など、職場のストレスの減らし方を幅広く学べるので個人的には結構おすすめです。合格して検定証がくると達成感もあるし。


コーチングとか、メンタルヘルスマネジメントを学ぶ中で、「相手がどんな人なのかを知り、理解することが大切」ということがわかって、人間についても知ろうと思うようになりました。アドラー心理学について「嫌われる勇気」を読んでみたり、アンガーマネジメントを学んだり。まずは自分という人間を理解して、そして周りの人間を理解し、認め、共に生きていく。皆同じ人間だから、同じように尊重する。そんな考え方に感銘を受けましたし、そうでないとお互いに理解することは難しいです。

謙虚さとか、非を認めるとか、やっぱりどれだけ歳を取っても、忘れないようにしたいですもんね。


と、まぁ薬の知識は全然増えていないような、そんな1年でしたけど、人間的には少し成長できたのかなと思っています。

最近はダークファンタジー小説のウィッチャーを読み始めていて、こうした知識本の内容を忘れ始めているから定期的に読み返そうかな。

あとは、個人的な野望として統計検定と医療情報技師の資格とファイナンシャルプランナーの資格は受験してみたいと思うから、座学も進めていきたい所存です。

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