スペクトラム。主に思ったことなど。

世間では(というか、医療関係者の中では?)、東京医科大学の女子だけ減点の話題で持ちきりですね。

受験でのこうした男女差をつける行為は、医療の現場の影響を受けているなど、大学だけではなく就職後との関連も指摘している発言も見受けられ、簡単な話では終わらなさそうです。

(個人的にはお金や権力などの見えない力でニュースもなくなり風化すると思っていますが…)


さて、先日、精神科医による発達障害についての講演を聞く機会がありました。といっても、ほんと院内の勉強会レベルの規模ですが。

あ、もし読んでいて不快になられた方がいたらすみません。

「精神障害のための診断と統計マニュアル」というのがアメリカ精神医学会から出版されていて、更新されるたびに自閉症スペクトラムやアスペルガー症候群、注意欠陥/多動性障害の定義も変わっているようです。

専門的な内容は専門家の方が詳しいので、概要というか自分が印象に残った点をまとめてみます。

まず、発達障害と診断されるのは10人に1人という頻度であること。軽度なものも含めると、更に多くなることが説明されていました。

今回は、成人の発達障害についての話となっていまして、子供の頃には複雑な作業を必要としなかったり、他に得意なことがあるためカバーされていたり…そういったことで気付かれないことも多いようです。診断も専門医によって変わることもあるようです。

それから、自閉症「スペクトラム」の名称通り、大きな差があるところで診断されるわけではなく、連続性があって差が明確ではないということが印象に残りました。

疾患というより、個性や性格、特徴といったものに近いのかもしれないです。

症状(という言い方であっているかわからないけど)が強い場合、薬物療法もすることもあります。

注意欠陥多動性障害は適応がある薬がありますね。


講演のあとの質疑の時に、各部署の偉い方々が、「そういった人たちにはどう接すれば良いのか」「仕事がうまく回らない時、どういう対応をしたらいいのか」といった、生々しい質問をしていました。

思うんですけど、こういう質問をする人たちって「自分も発達障害の可能性があるのかも」と思わないのかなぁと疑問に思いました。

「普通ではない人の対応に困っている」という言い方がなんだか気に食わなかったですね。

そういう質問をしている人も、他の人達からしたら「普通じゃない」と思われているのかもしれないのになぁ。

なんだか、差別とかいじめってこういう「普通じゃない」という感覚から来るんだなと改めて思いました。

たしかに、仕事がうまく回らないくらい困っている(雇われる側も雇う側も)のかもしれないです。実際、人間関係で悩むことありますしね。

得意不得意もみんなあるので、実は自分が今やっている仕事が自分には向いていないということも、あるのかもしれないです。

でもそういう時、一緒に解決策を探す、教え方を工夫してみる…それって当たり前のことなんじゃないかなぁと思いました。

教える側に必要なのは辛抱強さなんですよね。


なんだか感情論になってしまいました。


コメント